仮:DEXCS-WinOpenFOAMはこんな感じです

前にも予告したとおり日本機械学会の計算力学講演会CMD2019で、クラウドを活用したオープンCAEとしてWSL上のOpenFOAM環境を構築しています。徐々に機能向上を実現してますが、WSL上のUbuntuとWindowsのファイルシステムの連携がイマイチで、まだ課題が残っていますが、最低限のOpenFOAMの解析実行は可能です。
現状は画像のような感じです。右上がMobaXtermというXserver機能付きの端末ツールで、これでWSL上のUbuntu18.04を利用しています。このMobaXtermはWSL利用でもXserver機能が有効で、SSH接続でもファイル交換が便利ですでの絶対にお勧めです。本来は有償 ツールですが無償版でも十分です。ここでOpenFOAMv1906で例題解析を実行してます。
左に可視化ツールParaViewを表示してますが、これはWindowsに導入しており、WSLからWindows側のフォルダに結果を出力しており表示が可能です。つまりWindowsの慣れた環境やツールとUbuntu / OpenFOAMを同じ画面で連携して利用できることが、WSLを利用する最大の効果だと思います。絶対にこれからはこれです。
でDEXCS-OpenFOAMでは各種の支援ツールで効果的なOpenFOAM活用を実現してますが、最高の支援機能を持つTreeFOAMはLinux専用なのですが、これを修正してWSL / Ubuntu上に何とか動作させました。ただファイルシステムの都合で動作に問題があるので、これからそれを対応したいと思います。

→ MobaXtermの公式サイト
→ TreeFOAMの公式サイト

image0

カテゴリー: 未分類 | コメントをどうぞ

20190710:AWS-Educateは絶対にお勧めです

実は構造解析学特論なる授業を担当しており、研究開発でWindows10上に実現した構造解析システムDEXCS-WinXistrを活用しています。以前は受講学生持ち込みPCに環境構築してましたが、実はそれだけで2ヶ月ぐらいかかって本来の目的である解析演習の時間が確保できません。で縁あって連携したてAWS : Amazon Web Serviceさんに相談したら、AWS Educateを紹介されました。
ご存知の通りAWSはクラウド界では最もメジャーなシステムですが、登録にはクレジットカードが必須でした。なので学生が利用することは難しかったのですが、このAWS Educateだと学生はカードなして登録できます。さらに加盟校登録してあると利用料金75$が提供され教員には何と200$も支援されます。これだけあれば、半期の授業の演習は全て対応することができるので便利です。
さらにはAWSにはAMI: Amazon Machine Imageという解析環境の雛形を作れるので、これに授業で必要なシステムやデータを組み込んでおけば、受講者に対して学校でも自宅でもどこでもいつでも利用できる統一した環境を提供できます。これって宿題の演習などにも利用できて本当に便利です。ただクラウド活用の基本を学ぶために実はAWSのスタッフに特別講義をしてもらってます。
実は今年で2年目ですが活動を評価されて、AWSの公式ブログに紹介していただきました。具体的な内容はそちらを参考にして下さい。クラウドって当たり前になってるようでいて実は活用してる方は少ない感じです。学生時代にクラウドを体験する演習は教育的にも有効ですし研究開発にも有効です。

→ DEXCS-WinXistrの解説書
→ AWS Educateの紹介ウエブ
→ 事例から学ぶAWS Educateの授業での活用法

カテゴリー: 未分類 | コメントをどうぞ

20190709:外部連携について率直なところは

これでも研究開発者の端くれと自称しておりますが、オープンCAEに携わってきて思うところがあります。このオープンCAEはソースコードが公開されており、ある意味で無償で利用できるところに関心が集まっています。この名称を決定したひとりとして、ノウハウもコミュニティもオープンであることが重要と思っているのですがね。

で基礎的な検証を積み重ねてきて実践的な活用も可能になってくると、オープンCAEを用いてクローズな活動つまりはビジネスに利用する方も増えてくるわけです。これまでは、オープンCAEの精神はコミュニティ内の多面的なギブ&テイクを基盤としているのですが、最近はテイク&テイクの方が増えてきているのも事実なわけです。

自分なりに様々なオープンCAEの活用検証に努力してきて、それなりの経験や知識を蓄積してきたのですが、オープンなコミュニティではなく、クローズなビジネスを目的として情報収拾に来られる方がいます。こちらとしてはこの場合には厳密なギブ&テイクつまりは共同研究などの外部連携を前提としご相談に応じているつもりなのです。

まあビジネスではエール交換なる社交辞令があって、表面的で形式的なな提案や企画などが話が飛び交うのですが、それってまず実現することがないわけです。もうそんななのに関わってる余裕がなくなってきたので、今後はコミュニティとビジネスとでは対応をはっきり区別します。もし相談に来られる時は共同研究を前提としてお願いします。

カテゴリー: 未分類 | コメントをどうぞ

20190708:クラウドを活用したオープンCAE

今年の日本機械学会計算力学講演会「CMD2019」でチュートリアル「クラウドを活用したオープンCAE実習コース」を多分9月17日東洋大学で行います。今回で3回目になり、毎回アマゾンウエブサービス:AWS様に全面的なご支援を頂いています。過去2回はFrontISTRによる構造解析でしたが、今回はOpenFOAMによる流体解析です。

オープンCAEとしては最もメジャーなOpenFOAMですが、多くの方はLinux環境で利用されていると思いますが、実はWindows10のWindows Subsystem for Linux:WSL上にUbuntuを導入すると、パッケージを展開するだけで完全なOpenFOAM環境が利用できます。ソースカスタマイズのビルドも出来て開発元から公開される正式版です。

で今回のAWSですがWindows10ではなくWindows Server 2019が利用できて、ここにWSLが搭載されました。と言うことで今回は、AWS / WindowsServer2019 / WSL / Ubuntu1804 上で、OpenFOAM-v1906を活用します。何とかDEXCS-OpenFOAMのWindows版として支援ツールも含めた「DEXCS-WinOpenFOAM」を実現したいです。

→ アマゾンウエブサービス
→ 日本機械学会 第32回計算力学講演会(CMD2019)

カテゴリー: 未分類 | コメントをどうぞ

SXAT:VectorEngineはPCIe接続されてます

さて次はPCの内部を見てみます。このSX-Aurora TSUBASAの心臓部である「ベクトルエンジンVE : VectorEngine」は、カタログでは赤色のGPUみたいなPCIeの増設ボードみたいになってます。実体は添付画像のように、PCマザー最下部に接続されてました。で公式ウエブを見ると、以下のような性能だそうです。確か地球シミュレーターが当時40TFLOPSで世界最速になったと思うので、このボード1枚でなんと1/16の性能を実現してることに、すごい!

超高性能コア・超高メモリ帯域プロセッサ
新設計コアは従来SXのビッグコア設計思想を踏襲し、単一コアあたり世界一となる演算性能(307GF)*1、及びメモリ帯域(150GB/s)*1 を実現しています。ベクトルプロセッサは8コアを搭載。2.45TFの演算性能とプロセッサあたり世界一となる1.2TB/sのメモリ帯域*1により、アプリケーションを超高速に実行します。
引用→ SX-Aurora TSUBASAの特徴

10111

カテゴリー: 未分類 | コメントをどうぞ

SXAT:NEC SX-Aurora TSUBASA 活用開始

このブログを研究開発の情報発信に特化しようと思っています。インターネット上では様々な情報発信が可能ですが、フローとストックで考えると、フローとして速報的に単発情報ならばTwitterやFacebookが良いですが色々と混ざって後から参照しづらいですし、ストックとして体系的な連続情報ならばWikiかblogかなと思っています。
でこのblogですが時系列的な日誌の意味もあるので、Wikiのようにカテゴリ分類で完全に構成された情報とは異なって、様々な研究開発の進展をリアルに情報発信して、フローの情報がまとまったところで、ストックとしてWikiにアーカイブするのが良いかなと思っています。ということで今後は日付ではなく目的で記事を書いて行きます。

この「SXAT」 ですが、NEC製のベクトルスパコン「SX-Aurora TSUBASA」のことです。実はオープンCAE活用として取り組むことになりました。正式な詳細情報は以下のカタログを見てください。今回はPCサーバー形態で利用できる「エッジモデルA100-1」を活用して、各種数値解析システムの開発検証を行ってゆきます。
これってNEC-SXという名前から分かるように、あのスパコン世界最速になった地球シミュレーター(NEC SX-5, 40TFLOPS)の後継機になります。今回利用するサーバー1台で2.4TFLOPSなので、地球シミュレーターの1/17の性能が出せるそうです。これが高性能PCの価格でデスクサイトに置ける時代になったのですよ。すごい!
これからこのSXATに関する情報発信をしてゆきます。今回はまず外観ですけど、添付した写真のように本当にPCです。まあちょっと大きく20x43x52cmなのでPCサーバーという感じですけどね。もちろん原電も100Vですからどこでも設置できます。ハードソフトに関しても段階的に調べて、このblodにご報告してWikiにまとめてゆきます。

→ NEC SX-Aurora TSUBASAのカタログ
→ NEC SX-Aurora TSUBASAの公式サイト
→ SX-Aurora TSUBASAの紹介資料

10110

カテゴリー: 未分類 | コメントをどうぞ

20190626:オープンCAEの意味を考えると

オープンCAEに取り組んで相当時間が経過した。「オープンソース」と言うことばは先にあって、これに属するCAEツールのことをあえて「オープンCAE」と呼ぶことにした。一応は日本で最初のこの名称をつけた書籍も出している。でもこの名称は単にオープンソースCAEを短くしただけではなく、ソースを含むノウハウやコミュニティなど広い意味でオープンになったCAEを目指すと言うことで「オープンCAE」と呼んでいる。

さらに「オープンCAE学会」の設立から参画しているけど、最近はやんごとなき事情で積極的に活動できてないけど、この学会もアカデミズムに走らずに間口を広くして、講習会などを積極的に行っている。自分が岐阜で活動している勉強会もその仲間である。つまりコミュニティが相当にオープンになっているから、参加者がその気になりさえすれば活動はいくらでも展開できて、パイオニアになれる場所ができている。

でも最近思うのはノウハウもオープンにすることを原則としているけど、何だか「フリーランチ」が多くなってきたような気がする。コミュニティはギブ&テイクが基本なのにテイク&テイクだけで逃げられることが多い。まあ現実はそうなんだけど本音ちょっと寂しい感じがするのです。自分らも仙人ではないので霞を食って活動はできないのですよ。と言うことで最近はノウハウをばらまくことはやめているのです。

→ オープンCAE学会

カテゴリー: 未分類 | コメントをどうぞ

20190624:結局AIもCAEも問題解決手段

最近注目してるAIとCAEは、結局はコンピュータを用いた問題解決技術であって、実は良く似てると思うのです。なので色々な立場で手段と目的の意見がありますが、それはそれぞれの立場で主張があって良いし、共通の正解は無いと思うのです。最近はウエブ活用で色々な意見交換が多彩にできるようになりました。このブログやツイッターなどですよね。自分としては私見であって正論とも正解とも思っていません。なので前向きな意見交換は歓迎ですが批判や攻撃や炎上は避けたいのが本音です。

何でも基本が大切というのは分かります。例えばCAEでも基本的な力学を習得してプログラミングも理解しないとダメと言う意見は結構あります。まして最先端AI技術などでは統計数理の学習とPythonプログラミングの習得を前提としてる感じがあります。でも社会に広く展開する技術にするには、これらの基礎訓練を省略して問題解決手段として活用することの方が先決だと思うのです。ここで手段と目的は状況によって変わるのです。技術者だって色々なスキルとレベルがあるのですから。

で注目してるSony Neural Network Consoleに賛同してるのは、この部分を割り切ってAIを問題解決手段として提供していることです。この部分を詳しく解説したSonyNNC開発者の動画を見つけたのでご紹介します。実はこの内容はCAEも同じだと思うのです。まあこれも私見ですから反論も当然あると思いますが、自分はこれを信じています。

→ Deep Learning習得と人材育成のコツ(初学者向け)

カテゴリー: 未分類 | コメントをどうぞ

20190624:Salome-Mecaはどうなったのかと

自分がオープンCAEで本格的に展開したのはこの「Salome-Meca」なわけです。DEXCSプロジェクトでは最初にAdventureシステムが作られ、すぐにOpenFOAMシステムが仲間から公開されました。で独自システムとしてはこのSalome-Mecaシステムが出発点になります。この時は関西CAE懇話会で研究会が作られて、チームで相当に活発な開発が進められそのもっとも大きな貢献が日本語化対応でして、その成果は開発チームにも採択されてSalome-Mecaは開発元の仏語とグローバル対応の英語と次が日本語なのです。素晴らしいです。

で自分も解説書の3冊出版して講習会も数多く担当しました。卒業研究でも何度も取り組んである意味で自分の研究室の大きな柱になったのです。ただ現状どうかと言うと正直言って全く携わっていません。実は2017年度までは初心者向けと専門家向けの2つの解析手順が用意されていて、両方をうまく使いこなすノウハウを蓄積してきたのですが、この時に2つの手順が1つに統合したのですが、これが非常に中途半端な使いにくさなのですよ。

さらに研究開発としてはオープンCAEの次の段階に進むために、流体構造連成解析に挑戦するために色々な手段を試したの中で、Code_Aster + Code_Saturneも相当に取り組んだのですが展開できず、結局はElmer-FSIで医工連携で実現した次第ですし、preCICEを使ってOpenFOAM + Calculixも実用化を目指しているため、正直基本構造解析のみのSalome-Mecaでは先端的な研究開発に対応が難しいのが本音なのです。でも解説書は今でも勉強してくれる方がいるようなので、1つの成果としては価値が合ったと思います。

→ 公式ダウンロードサイトSalome-Meca
→ Salome-Mecaの解説書(自著など)

カテゴリー: 未分類 | コメントをどうぞ

20190623:SonyNNCの可能性にかけています

昨今は第3次AIブームだそうですが、自分は大学院時に第2次ブームでパーセプトロンとかやってて、今回はずっと静観してましたが満を持して取り組んでいるのが、ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社が開発し無償公開している「Neural Network Console Windowsアプリ」です。特徴としては「ニューラルネットワークを直感的に設計。学習・評価を快適に実現するディープラーニング・ツール。」とのことです。

簡単に言うと現在のAIで深層学習とかやろうとすると、まずは数学的な統計数理の勉強して!さらにPythonプログラミングでTensorFlowライブラリとか習得して!となって、なかなか素人にはハードルが高いのが現実です。まあCAEで言えば、まずは有限要素法を勉強して!さらにプログラミングもね!では、正直だれもCAEを使えません。あくまで問題解決が目的であって解決手段に時間がかけられないのが現実ですよね。

でまさに商用CAEツールのように、ニューラルネットワークをまずは手軽に活用することを目指して作られたのがSonyNNCなのです。で余りに感動したので勉強がてら講習資料を作成して、これを元に出版を進めています。多分8月初めには出版するのでまた具体的にご紹介します。実はこの解説書は開発もとの監修を経て連携して進めています。講習会とかも展開するので、ぜひ宜しくお願いします。

→ 公式サイト:Neural Network Console
→ 公式サイトYouTube動画チャンネル

カテゴリー: 未分類 | コメントをどうぞ